夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 通学路…というか、実家である神社の階段を、1段ずつ駆け上がっていく。


 階段の頂上までついたら、湊先輩ともお別れだ。

 
「今日も送ってくれてありがとうございます」
「やっぱり夕芽は律儀だね」
「……そうですか?」 


 そう言ってお辞儀すると、湊先輩は照れたように笑った。


 …でも、本当に律儀なのはきっと湊先輩の方なのにな。

 私はこんなに良くしてもらってるのに、何も出来ていない。
 
 
「俺の告白は振るけどね」
「まっ、まぁそうですけど…!」


 あの時、湊先輩は私が自分に向けている気持ちを、聞くようなことはしなかった。


 そこから告白をやり直すこともなく、本当にただの先輩後輩として接してくれている。



 ……私だって、申し訳ないとは思っている。

 せっかく、告白までしてもらったのに。



 今の気持ちどころか、私のことすら…。

 
 打ち明けてないから。