怖かった。
わたしの知らない、夢乃ちゃんみたいで。
あの頃の姿が、どこにも無くなってしまうんじゃないかって。
そんなわたしの不安に気づいたのか、夢乃ちゃんがとたんに明るい声を出した。
「これで終わり!」
「え…もう…?」
「そう。今のが、お晴らいだよ」
過去を癒す巫女が、夢宮。
神社らしく、お清めをするんじゃないかって。
わたしが出かける前に、ママがそんなことを言っていた。
…わたしも、そう思っていた。
テレビで見たような、白いふわふわの棒で儀式をするのかなって。
でも違う。
さっきのがお晴らいなら、あのお湯は。
夢乃ちゃんが飲み干した、真っ黒な液体は…。



