夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー



 ごくり、と喉が鳴る音が聞こえた。


 夢乃ちゃんは顔色すら変えない。

 ただ、淡々と。


 
 そのペースは落ちることなく、みるみるうちに液体が減っていく。



 絶対、美味しくないはず。

 とても苦くて、まずいはず。


 そもそも、見た目が100%体に悪そうだった。



 
 …………あんなのを口にして、平気なわけがない。



 わたしが飲んだとしたら、死ぬ気がする。
 


 それくらいの、絶望みたいな色を。

 かき集めた、孤独みたいな色を。

 何度も夜を越えた悩みみたいな色を。
 


 迷いすら見せず。


 
 鳥が飛ぶみたいに。 

 空が青いみたいに。

 夜、夢を見るみたいに。


 当たり前のことみたいに、夢乃ちゃんは飲み干した。