夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 夢乃ちゃんのいない学校は、少し肩が重くて。


 怖くなくなったものが、また怖くなって。

 

 いじめもひどくなった。
 

 夢乃ちゃんがいないと、誰も庇ってくれないから。


『──たすけ、』
『あの子はもういないよ!』


 その事実を突きつけられるたび、胸が苦しくなった。


 罪悪感で頭がぐちゃぐちゃになった。



 耐えられなくなって、学校に行くのをやめた。


『ごめんね、瑠奈……ごめんね…』

 
 ママが涙を流しながら、わたしを抱きしめてくれた。
 

 悪くない、ママは悪くないよ。

 たぶん、わたしが…。


 
 わたしがそこまで言いかけると、ママはいつも首を横に振ってくれた。

 そしてまた、ママが謝り出すから。



 だからわたしは、自分のせいだって言うのをやめた。


 そんなわたしをママは抱きしめてくれた。

 でも、その時ふと思った。



 
 夢乃ちゃんには、誰がこうやって謝ってくれるんだろうって。


「今もね、わたし、不登校なんだ」