夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 わたしの瞳を覗き込んだ夢乃ちゃんが、突然そんなことを言い出した。


 無邪気な顔で、涼しい声で。

 悪気がないように見えた。



 だけど、わたしの、肌のことなんだろうなって。


 何も聞かないでも分かった。
 


 ずっと言われ慣れてきたから。


 もっとひどいことを言われたこともあったから。


『ゆ、ゆめの…ちゃん……?』 

 
 他の子たちに何かを言われても我慢してきたのに、その時だけはできなかった。


 
 声を上げて、泣いてしまった。

 教室の真ん中で。



 すぐに先生たちが駆けつけて、夢乃ちゃんは連れて行かれた。
 

『るな、』
『近づかないで!』


 夢乃ちゃんはわたしに何かを言いかけたけど、耳をふさいだ。