夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー



 今、こうしてここで働いていることも。

 昔より少し、顔が大人びていることも。


 
 分かっているはずなのに、親友だったはずなのに。


 まだわたしの知らない姿があったことが、なんだか寂しく思った。


「瑠奈のその服、すごく可愛いね」
「え、あ、あ…ありがとう」
「色合いが瑠奈っぽい」 


 その言葉で、少しだけ不安が減ったような気がした。



 大丈夫。

 わたしの大好きな、夢乃ちゃんだ。

  
 わたしの名前を呼ぶ時に、「な」の音を柔らかく発音する夢乃ちゃんのままだ。


「あ、あのね、夢宮って、ゆ、夢乃ちゃんのお義姉ちゃん…とか……?」 
「………ううん。私だよ」
 

 最近読んだ本の中にあった職業が、なぜか気になったんだ。


 ここかもしれないって、なくしものを引き出しの中を空っぽになるまで探す時みたいに。


 
 だから調べてみたら、ここの神社が出てきた。
 

 家から割と近くだったし、電車の乗り換えもなかったし、4駅くらいだし、駅からの道も簡単そうだったし。


 
 ……それでも、わたしにしては遠出だけど。

 

 SNSで見てみても、やっぱりわたしの探しているものだと思ったから、ママに無理を言ってここまで来た。




 だけど。


 その夢宮が、夢乃ちゃん、なの……?