夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


「な、なっ、なんで…」


 とっさに動けるわけないよ。


 スポーツ下手だし。

 目の前にいる子…、転校しちゃった親友だし。


「瑠奈と会うの久しぶりだよね?」
「ゆ、夢乃ちゃん、って、巫女さんなの…?」


 なんでが頭の中でいっぱいになって、それを投げかける。


 最後にママ以外の人と話したの、いつだっけ。


 
 店員さんの言葉に頷く…とかはあったなぁ。

 同級生に見つかって、無言のまま逃げたこともあったなぁ。



 でも、あれは話すうちには入らない気がする。


 だから、こうして話す羽目になる相手が夢乃ちゃんなら嬉しい。


「親戚に頼まれて、住み込みで手伝ってるの」
「…へ、へぇ……そうだったんだ…」


 夢乃ちゃんの親戚、神社の人なんだ。

 
 ……初めて聞いた。