夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー



『…悪夢が少ないってどういう状況なの?』
『自分でどうにか出来るだけの強さがあったり、そもそも強い悪夢となる出来事がなかったり…ですかね』 


 俺が夕芽に悪夢の話をした時、彼女の表情は凪いでいた。

 
 この時は悪夢の原因なんて、人間なら誰しもあることだろうと思っていた。
 でも、さっきの映像を見て思う。



 俺が生きてきた中で、こんなことはなかった。


 もしも君が夢乃なら。



 ……夢宮だから。

 過去に、夢宮が「結女」と呼ばれていた時期があったから。


 
 だから君は、夕芽と名乗ったの?



 まだ分からない。

 その理由を知れていない。


 理解したい。
 そして、その心に占める何かがあるなら、それを取り除きたい。


 
 夕芽は話してくれない。
 すぐに隠してしまう。

 
 その深層に触れられない。


  
 だから俺は、やっぱり君が知りたい。