Good day ! 6

巡航に入り、ふうと小さく息を吐いてから、舞は大翔に尋ねる。

「キャプテン、PAはどうしますか?」
「そうだな……。よかったら君が入れてくれる? 日本語のPAを勉強中なんだ」
「かしこまりました。参考になるか分かりませんが……」

舞はAudio Control Panelを客室アナウンスのPAに切り替えてから、MICボタンを押した。

「ご搭乗の皆様に、コックピットよりご案内申し上げます。本日はJWA247便、羽田空港発福岡空港行きをご利用いただき、誠にありがとうございます。この便の機長は相澤、副操縦士はわたくし、佐倉でございます」

すると後方のキャビンから、かすかにどよめきが聞こえてきた。

なんだ?と、大翔は思わず後ろを振り返る。
だが舞は特に気にする様子もなく、淡々とアナウンスを続けた。

「当機はただ今順調に飛行を続けており、福岡空港へは定刻に到着する見込みです。座席にお座りの際は急な揺れに備えて、シートベルトを腰の低い位置でしっかりとお締めください。皆様を安全に福岡空港へとお送りいたしますので、どうぞご安心を。それでは皆様、この先もごゆっくり空の旅をお楽しみください。
We hope you enjoy the flight with us. Thank you.
Have a good day! 」

パチパチとキャビンから拍手の音がして、大翔は更に首をひねる。

JWAに来てから何人かのコーパイのアナウンスを聞いてきたが、拍手が起こるなど初めてだった。

(このPAがそんなにすごいのか。日本ではこれを手本にすればいいんだな)

大翔は心の中で一人、頷いていた。