オフィスにShow Up (出社) し、出社確認表へのサインとメールボックスチェックをしてから、大翔はその日のフライトスケジュールを確認する。
(今日は福岡往復。コーパイは、佐倉 舞。女の子か)
アメリカの航空会社でパイロットをしていた時は、女性の副操縦士と組むことも多かったが、日本に来てからは初めてだ。
(なにを話せばいいんだろう)
アメリカ暮らしが長く、すっかり向こうの文化に慣れていたせいか、帰国して3か月経ってもまだまだ日本になじめない。
今もオフィスにいるが、「Hi! Hiro」と絶えず誰かに笑顔で話しかけられていたアメリカとは違って、最低限「お疲れ様です」とだけ挨拶すると、皆、黙々と仕事に打ち込んでいる。
(まあ、そのうち慣れるか)
もともと自分は社交的なタイプではなく、どちらかと言うと寡黙な性格だ。
案外、日本の方が居心地良くなるかもしれない。
そう思いながら、フライトバッグが並べられたオフィスの一角に自分もバッグを置く。
すると、誰かが近づいてきて頭を下げた。
「相澤キャプテン、おはようございます。本日、福岡便ご一緒させていただく佐倉と申します。よろしくお願いいたします」
「あっ……」
大翔は思わず呟く。
(この子、あの時の?)
忘れもしない、先日のこと。
いきなり後ろから「お父さん!」と呼ばれ、疑う様子もなく話しかけてきたのがこの子だった。
「あの、先日は大変失礼いたしました。申し訳ありませんでした」
きっとこの子も覚えていたのだろう。
声のトーンを落として、深々と頭を下げる。
「いや、大丈夫だ」
それしか言えない。
なにせ「お父さん」と呼ばれたことなど今まで一度もなく、実のところかなりショックを受けていたから。
(俺から見たら日本人は、年齢よりもずいぶん若く見えるが、逆を言うと俺は相当老けて見えるってことか)
そう思い、少なからず落ち込んでいた。
だがとにかく今は仕事に集中しなければ。
「機長の相澤です。今日はよろしく」
大翔が改めて名乗ると、舞ももう一度、よろしくお願いいたしますと頭を下げた。
(今日は福岡往復。コーパイは、佐倉 舞。女の子か)
アメリカの航空会社でパイロットをしていた時は、女性の副操縦士と組むことも多かったが、日本に来てからは初めてだ。
(なにを話せばいいんだろう)
アメリカ暮らしが長く、すっかり向こうの文化に慣れていたせいか、帰国して3か月経ってもまだまだ日本になじめない。
今もオフィスにいるが、「Hi! Hiro」と絶えず誰かに笑顔で話しかけられていたアメリカとは違って、最低限「お疲れ様です」とだけ挨拶すると、皆、黙々と仕事に打ち込んでいる。
(まあ、そのうち慣れるか)
もともと自分は社交的なタイプではなく、どちらかと言うと寡黙な性格だ。
案外、日本の方が居心地良くなるかもしれない。
そう思いながら、フライトバッグが並べられたオフィスの一角に自分もバッグを置く。
すると、誰かが近づいてきて頭を下げた。
「相澤キャプテン、おはようございます。本日、福岡便ご一緒させていただく佐倉と申します。よろしくお願いいたします」
「あっ……」
大翔は思わず呟く。
(この子、あの時の?)
忘れもしない、先日のこと。
いきなり後ろから「お父さん!」と呼ばれ、疑う様子もなく話しかけてきたのがこの子だった。
「あの、先日は大変失礼いたしました。申し訳ありませんでした」
きっとこの子も覚えていたのだろう。
声のトーンを落として、深々と頭を下げる。
「いや、大丈夫だ」
それしか言えない。
なにせ「お父さん」と呼ばれたことなど今まで一度もなく、実のところかなりショックを受けていたから。
(俺から見たら日本人は、年齢よりもずいぶん若く見えるが、逆を言うと俺は相当老けて見えるってことか)
そう思い、少なからず落ち込んでいた。
だがとにかく今は仕事に集中しなければ。
「機長の相澤です。今日はよろしく」
大翔が改めて名乗ると、舞ももう一度、よろしくお願いいたしますと頭を下げた。



