Good day ! 6

フライトデビューやフルムーンフライト、Mixed Fleet Flightやひなまつりフライトにこどもの日フライト、そして最後にメモリアルフライト……

大翔はその搭乗証明書を手にして、胸がいっぱいになった。

(佐倉教官のパイロット人生が、ここに凝縮されている気がする)

続いてSNSで、当時のお客様のコメントに目を通す。

読み進めるうちに、感動で言葉を失った。

どんなに佐倉キャプテン夫妻がお客様に愛されていたか。

二人に子どもが生まれたと分かり、どんなに喜ばれたか。

そしてその子どもが二人とも両親の背中を追ってパイロットになった時は、誰もが親戚のように佐倉ファミリーを祝福していた。

夫婦揃って二刀流パイロットになった時は、驚きと尊敬のコメントで溢れ、親子フライトの時は感慨深くなり。

佐倉キャプテンのラストフライトでは……

誰もが涙と共に感謝の言葉を述べ、拍手で讃え、笑顔で送り出しているようだった。

こんなにも愛されるパイロットがいるだろうか。

そもそもパイロットとは、ここまでお客様に愛される存在となり得るのだろうか?

お客様と対面する機会など、ほとんどないのに。

どんなに操縦が上手い名パイロットであっても、ここまで慕われている人などいない。

(いや、佐倉キャプテンだったからこそだ。パイロットである前に、一人の人としての人格者。お客様は操縦の腕前に惚れ込んだのではない。佐倉キャプテンの人柄に惚れたんだ)

自分もそうでありたい。

大翔は目指すべき道が、目の前に拓けた気がした。