◇
「舞ー、お帰り!」
美羽と二人で住むマンションの部屋に帰ると、美羽が笑顔で出迎えてくれた。
「ただいま、美羽」
「フライトお疲れ様。パパから聞いたよー、ぐふふ」
え?と、舞は首をかしげる。
「聞いたって、なにを? フライトのこと?」
「ちがーう! イケメンエリート機長を『お父さん!』って呼んだこと」
うぐっ、と舞は言葉を詰まらせた。
「そりゃ、舞のお父さんはかっこいいけどさ。相澤キャプテンは35だよ? お父さんなんて呼ばれたの、初めてだろうね。どんな反応されたの? 驚いてたでしょ」
「いや、私の方が驚いてたかも。だってお父さんだと思い込んで、話しかけちゃったから」
「あはは! そうなんだ。でも絶対相澤キャプテンもびっくりしただろうな。『好きです』とか『つき合ってください』って声かけられることはあっても『お父さん!』って言われるなんてね。ふふふ」
「もう、美羽ったら。こう見えて私、落ち込んでるのに」
すると美羽はキョトンとする。
「え? なんで?」
「だって、キャプテンにそんな失礼なことしちゃって。乗務で一緒になったら、謝らないと」
「えー、舞ってば、ほんとに真面目。相澤キャプテンを狙ってる女の子だったら、話すきっかけが出来たと思って嬉しくなるんじゃない? フライトで一緒になるのを待たずに、探し出して声かけに行っちゃったりして。『私のこと、覚えてますか? あの時はすみませんでした』って」
可愛らしく小首をかしげる美羽に、舞は唇をとがらせた。
「全然そんなふうに思えないし、美羽みたいに可愛く出来ない。それに私、別に相澤キャプテンを狙ってないもん。怒ってらっしゃるかなって、今から気が重いよ」
「ふうん。確かに相澤キャプテン、フレンドリーな性格じゃなさそうだもんね。ヘーイ、ワッツアップ? って話しかけたら、真顔でシーンって沈黙されそう。アメリカに住んでたのにね?」
「いやいや。それは誰でもそうなるよ」
「そう? 私なら、イエーイ! ってハイタッチするけど」
「それは美羽だからだよ」
そうかな?と美羽は、人差し指を唇に当てて首をかしげる。
そんな仕草は、同性から見ても可愛らしい。
「美羽はいつも可愛いね。うらやましよ」
「なんで? 舞だって美人だし可愛いよ。どうして自信なさそうなの?」
「だって自信ないんだもん」
「えー、もったいない。私が自信つけさせてあげる。舞は可愛いよー、とってもキュートだよー」
「やだ、催眠術みたい」
「どうしてよ、魔法の呪文でしょ? そーれ! ちちんぷいぷい」
「あはは! やめてよ、もう」
二人で顔を見合わせて笑う。
いつも気持ちを明るくさせてくれる美羽のことが、舞は大好きだった。
「舞ー、お帰り!」
美羽と二人で住むマンションの部屋に帰ると、美羽が笑顔で出迎えてくれた。
「ただいま、美羽」
「フライトお疲れ様。パパから聞いたよー、ぐふふ」
え?と、舞は首をかしげる。
「聞いたって、なにを? フライトのこと?」
「ちがーう! イケメンエリート機長を『お父さん!』って呼んだこと」
うぐっ、と舞は言葉を詰まらせた。
「そりゃ、舞のお父さんはかっこいいけどさ。相澤キャプテンは35だよ? お父さんなんて呼ばれたの、初めてだろうね。どんな反応されたの? 驚いてたでしょ」
「いや、私の方が驚いてたかも。だってお父さんだと思い込んで、話しかけちゃったから」
「あはは! そうなんだ。でも絶対相澤キャプテンもびっくりしただろうな。『好きです』とか『つき合ってください』って声かけられることはあっても『お父さん!』って言われるなんてね。ふふふ」
「もう、美羽ったら。こう見えて私、落ち込んでるのに」
すると美羽はキョトンとする。
「え? なんで?」
「だって、キャプテンにそんな失礼なことしちゃって。乗務で一緒になったら、謝らないと」
「えー、舞ってば、ほんとに真面目。相澤キャプテンを狙ってる女の子だったら、話すきっかけが出来たと思って嬉しくなるんじゃない? フライトで一緒になるのを待たずに、探し出して声かけに行っちゃったりして。『私のこと、覚えてますか? あの時はすみませんでした』って」
可愛らしく小首をかしげる美羽に、舞は唇をとがらせた。
「全然そんなふうに思えないし、美羽みたいに可愛く出来ない。それに私、別に相澤キャプテンを狙ってないもん。怒ってらっしゃるかなって、今から気が重いよ」
「ふうん。確かに相澤キャプテン、フレンドリーな性格じゃなさそうだもんね。ヘーイ、ワッツアップ? って話しかけたら、真顔でシーンって沈黙されそう。アメリカに住んでたのにね?」
「いやいや。それは誰でもそうなるよ」
「そう? 私なら、イエーイ! ってハイタッチするけど」
「それは美羽だからだよ」
そうかな?と美羽は、人差し指を唇に当てて首をかしげる。
そんな仕草は、同性から見ても可愛らしい。
「美羽はいつも可愛いね。うらやましよ」
「なんで? 舞だって美人だし可愛いよ。どうして自信なさそうなの?」
「だって自信ないんだもん」
「えー、もったいない。私が自信つけさせてあげる。舞は可愛いよー、とってもキュートだよー」
「やだ、催眠術みたい」
「どうしてよ、魔法の呪文でしょ? そーれ! ちちんぷいぷい」
「あはは! やめてよ、もう」
二人で顔を見合わせて笑う。
いつも気持ちを明るくさせてくれる美羽のことが、舞は大好きだった。



