Good day ! 6

「早速始めようか。と、その前に。SNSに二人の動画をアップしたあと、初日の出フライトがあっという間に満席になったよ。なかなかのお値段にもかかわらずね。コメントでも大盛り上がり。チェックしてみた?」
「いえ、まだ。恥ずかしくて観る勇気がありません」

舞の言葉に、大翔も隣で頷いた。

「ははは! 観てみるといいよ。それもフライト前の大事な事前準備だ。お客様がどんな想いで初日の出フライトに搭乗されるか、それを心に留めて飛ぶべきだよ」

はい、と二人で神妙に返事をする。

「さてと。じゃあフライトプランから確認しよう。このプランで政府に申請してあって、問題なく許可が下りると思う」

テーブルに広げた資料を四人で囲みながら、野中を説明に耳を傾けた。

「使用機材はボーイング787ダッシュエイト。チャーターフライトになる。詳細は後日政府の認可を確認するが、お客様にご案内している内容はこれ。日程はもちろん1月1日で、出発は5時45分ごろ。羽田を離陸後、相模湾上空を西へ向かい、静岡市付近から北に進路を変えて、富士山の北東約80キロ付近にてホールディング。そこで初日の出を鑑賞してから羽田に戻る。羽田帰着は7時50分の予定だ」

続いてディスパッチャーが口を開く。

「ホールディングポイントは、今のところTENRUを予定しています。ここでの高度は、約1万3千フィートになるかと」

舞は思わず目を見開く。

そんなにも低い高度で富士山付近を飛んだことなど、一度もなかった。

(でも初日の出をきれいに見るには、そこまで高度を下げないといけないのね。頭の中でしっかりシミュレーションしておこう)

気を引きしめてミーティングを終えると、舞は大翔と運航乗務部のオフィスに行き、これまでのフライトシリーズの記録や動画をチェックすることにした。