Good day ! 6

「舞ちゃん、これは?」

泉が不思議そうに材料を見つめた。

「デザートなんです。今、作りますね」

たこ焼きプレートをきれいに洗うと、今度はホットケーキミックスを型に流していく。

その中に細かくしたチョコレートとマシュマロを入れ、途中でくるっと返して真ん丸に焼いた。

「はい、どうぞ。お好みでホイップクリームやフルーツソースをつけてくださいね」
「ありがとう。へえ、ベビーカステラみたいだね」

そう言って泉は、早速口に運ぶ。

「ん、美味しい! カステラとは違うな。周りがカリッとしてて、すごく美味しいよ」
「マシュマロが溶けて、飴みたいにカリッとなるんです」
「そうなんだ。これ、ハマりそう。いくらでも食べられるよ」
「ふふっ、良かったです。今、コーヒーを淹れますね」

舞は再びキッチンに立つと、五人分のコーヒーを淹れてカップを運んだ。

「はい、どうぞ。えっと、泉さんはブラックでしたっけ?」
「そう。覚えていてくれたんだ」
「職業病ですから」
「舞ちゃんCAじゃないでしょ?」
「あ、そうでした」

ははっ!と、泉は楽しそうに笑う。

「ごちそうさまでした。舞ちゃん、片付けやらせてくれる?」
「いえ、そんな。お客様ですから、座っててください」
「出来ればお客様にはなりたくないんだ」
「え?」

どういう意味だろうと思っていると、テーブルの上のホットプレートやお皿を次々キッチンに運んだ泉は、そのままスポンジで洗い始めた。

「すみません、ありがとうございます」
「いいえ。舞ちゃんと並んで洗い物するのって、新鮮で楽しいよ」
「洗い物がですか? どこに楽しさを見い出せるんですか?」
「ははは! こういう会話かな」

そういうもの?と首をひねりつつ、泉が洗った食器を受け取って拭いていく。

気づけば翔一は床に寝転んでグーグー寝始め、翼は美羽と一緒にベランダで肩を寄せ合っていた。

(ここに泉さんがいるって新鮮だけど、なんだか落ち着くな)

言葉もなく二人でキッチンに並び、いつしか舞はそう考えていた。