Good day ! 6

羽田へ向かう空の上で、大翔はどうしたものかと考える。

誕生日をお祝いしたいが、出過ぎた真似も出来ない。

日本人同士の距離感も、よく分からなかった。

コックピットに入った時に「誕生日なんだね、おめでとう」と声をかけると、舞は「ありがとうございます」とにこやかに笑っていたが、それで充分なのだろうか?

そんなことを考えているうちに、羽田空港が見えてきて、大翔は気持ちを入れ替える。

無事に着陸してオフィスに戻ると、デブリーフィングは手短に終えた。

(誕生日だからな。きっとこのあと、カレーのしょうちゃんに祝ってもらうのだろう)

そう思い、大翔はそそくさと立ち上がる。

「では、2日間お疲れ様でした」
「はい、ありがとうございました。またご一緒させていただく際には、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ。じゃあ」

更衣室で着替えると、軽くなにか食べてから帰ろうと思い、ターミナルビルのレストランフロアに向かった。

どこにしようかと迷ったあげく、滑走路に面したカフェに入る。

17時過ぎという中途半端な時間のせいか、人の姿もまばらだった。

大翔はパスタを注文し、飛行機が見渡せるカウンター席に座る。

だがふと隣に目を向けた途端、驚いて後ずさった。

そこには、微笑んで飛行機を見つめる私服姿の舞がいた。

「どうした!?」
「えっ……、相澤キャプテン!」
「なぜここにいる?」
「え、あの。飛行機を見たくて……」
「今日は君の誕生日だろう?」
「はい。なので、一人でうちに帰るのも味気ないなと思いまして」
「カレー……氏はどうした? 一緒に住んでるんだろ?」

舞はキョトンと首をかしげる。

「いえ、あの。一緒に住んでいる親友は、今夜はデートでいないですし、私に彼氏はいません」
「は?」

今度は大翔が首をかしげた。

「どういうことだ?」
「えっと、さあ?」

もはやなにがなんだか分からない。

昨日から大翔は混乱しっぱなしだった。