Good day ! 5

翼と舞、それから翔一が順調に副操縦士としての経験を重ねる一方で、美羽もまたCAとして日々奮闘していた。

「それではデブリーフィングを始めます。今日は2レグとも大きなトラブルはありませんでしたが、皆さんからはなにかありますか?」

佐々木に聞かれて、美羽が手を挙げる。

「はい。個人的な反省点なのですが、ドリンクサービスの時にご家族連れの方からそれぞれオーダーを受けました。覚える順番を間違えてしまい、『りんごジュースですね』とお父様に復唱すると『いや、コーヒーだよ』と。これからは落ち着いて、きちんと覚えたいと思います」
「そうでしたか。確かにそれは反省点ですが、いいところもあります。まず、ご提供する前にきちんと復唱して確認したこと。実際にりんごジュースを差し出してしまうと、もちろんお客様の気分を害してしまいますし、困惑されて『まあ、いいか』と受け取ってしまわれることもありますからね。それと伊沢さんは、いつも心からの笑顔でお客様に接しています。そんな伊沢さんだから、なにかあった時にお客様も『いいよ』と寛大な気持ちで笑ってくださるのだと思います。もし冷たい表情のCAにオーダーを間違われたら、お客様も冷たく苦言を返されたかもしれません。その点は伊沢さんを見習おうと、私も思いました」

他の先輩CA達も、頷いて美羽を励ます。

「伊沢さんは人懐っこくて、子犬みたいな可愛らしさがあるもんね」
「そうそう。にこって笑いかけられたら、こっちも思わず笑顔になっちゃう」
「私、そのオーダーを間違えた場面を見てたけど、お客様も笑ってらっしゃったわよ。周りの方も微笑ましく見守ってくださってて」
「もちろんミスはしない方がいいけど、伊沢さんは一番大切なことはいつもきちんと出来てるから」

嬉しい言葉に、美羽は思わず涙ぐむ。

「ありがとうございます。もっともっと成長して、少しでも早く皆様のお役に立てるようにがんばります」

最後に佐々木が優しく笑いかけた。

「これからも一緒にがんばっていきましょうね」
「はい!」
「ふふっ、ほんとにいい笑顔」

そしてまた皆で笑い合った。