Good day ! 5



ひなまつりフライトの様子が会社のSNSで掲載されると、当然のように『こどもの日フライトは、いつ予約開始されますか?』というコメントがつく。

『大和キャプテンと息子さんの親子フライト、楽しみにしています!』
『機内アナウンスは、息子さんの声が聞けるかな?』
『大和キャプテンに似て、イケボ間違いなし!』
『搭乗証明書にお二人のサインが並ぶんですよね。もう感激! あー、待ちきれない』

まるで疑う様子もなく盛り上がるコメントに、川原は「これはやるしかないでしょう」と真顔で頷いた。

そして2か月後の5月5日。
今度は大和と翼の親子フライトが実現する。

路線は羽田空港発小松空港行きで、これまた当然のように両家の祖父母が集まった。

「今度は金沢か。加賀百万石の城下町の端午の節句、いいですな」
「ええ。せっかくですから2泊して、のんびり観光してから帰りましょうよ」

どうやら恵真と舞の時ほどの感激はないらしく、四人は観光スポットの話に熱が入っている。

写真だけ撮るとあっさり「じゃあね」と手を振られ、大和は翼とShow Upに向かった。

川原に写真を撮られながらブリーフィングを終え、シップに足を踏み入れると、ズラリと並んだ男性CA達に思わず怯む。

「ちょっと、これ……。大丈夫か?」

大和の言わんとすることが分かり、ベテランの男性チーフパーサーが頷いた。

「そうなんですよ、体育会系の部活感がハンパないですよね。華やかさの欠片もなくて。コックピットはいいじゃないですか。キャビンはもう、お客様の反応が怖くて、今から不安でいっぱいですよ。こどもの日フライトだからって、クルー全員男性にしなくても……」
「まあまあ、そう言わず。華がない分、安心感はあるな。なにがあっても大丈夫だっていう」
「ですが、お子様に泣かれたりしませんかね?」
「うーん、そうだな。うーん……」
「ちょっと、キャプテン!」

大和とチーフパーサーのやり取りに、翼達も苦笑いを浮かべる。

とにかくいつも以上に笑顔を振りまこう、と話してブリーフィングを終えた。