Good day ! 5

無事に岡山空港に到着し、乗客がパッセンジャーボーディングブリッジを渡り始める。

と、誰もがコックピットを振り返り、嬉しそうに笑顔で手を振ってきた。

(え、なに?)

驚く舞の隣で、恵真がにこやかに会釈しながら手を振り返す。

舞もつられて笑顔で手を振った。

最後の乗客を見送ると、恵真が舞に声をかける。

「さてと。折り返し便まで時間があるから、一旦オフィスに行きましょうか」
「はい」
「桃とおだんごも買わなくちゃ」
「ん? なにかおっしゃいましたか?」

舞が顔を上げると、恵真は慌てて「いいえ、なにも」と首を振った。

二人でフライトバッグを持ち、コックピットを出る。

すると佐々木達CAが集まって来た。

「恵真キャプテン、舞コーパイ、お疲れ様でした。キャビンも終始ほんわかムードで、皆様、微笑ましくPAに聞き入っていらっしゃいましたよ。そしてこれが、はい! ひなまつりフライト搭乗証明書です」

差し出されたのは、ピンク色でひな人形や桃の花のイラストが入った可愛らしいものだった。

「わあ、すてき。ありがとうございます」

舞は受け取って満面の笑みを浮かべる。

美羽も胸に大事そうに台紙を抱えていた。

「私もいただいたんです。とっても良い記念になりました。大切にします」
「そうね。私達CAにとっても、思い出深いフライトになりました。それになんと言っても! 恵真キャプテンと舞コーパイのサインが並んでるなんて! キャビンには美羽ちゃんもいるし、ああ、もう私、涙が込み上げてきちゃう」

そう言って佐々木は、目尻を指先で拭う。

「でもちょっと寂しいの。佐倉キャプテンと恵真キャプテンのフライトシリーズは、終わってしまったのねって。新しい世代に移り替わるのは喜ばしいけれど、少しね、センチメンタルになっちゃうわ。ね? 恵真さん」
「あ、ええ、そうですね」

恵真は頷きつつも、苦笑いを浮かべていた。