Good day ! 5

「そう言えば川原さん、どうしてひなまつりフライトが岡山便なんですか?」

シップへと向かう様子もカメラに収める川原に、恵真がふと思いついて尋ねた。

「ひなまつりで有名な場所は色々あるけど、今回は桃の節句ということで岡山にしたの。桃と言えば岡山ですからね」
「なるほど」
「それより藤崎キャプテン。佐倉キャプテンはなにかおっしゃってましたか? 今回の母娘フライトに関して」
「ええ、あの、まあ、色々……」
「なんですか? 色々って」

川原と同じように、舞も興味深そうに恵真に顔を向ける。

「あ、ほら。ゲートに着きましたよ」

恵真はごまかしてやり過ごした。

大和がどんな様子だったかは、恥ずかしくて誰にも言えない。

最初こそ「母娘フライト、いいな。俺よりも恵真の方が早く親子フライト実現させるなんて、うらやましい」と笑顔だったが、そのうちに「フライトシリーズは俺と恵真のものだったのに、俺が外されるなんて。恵真の隣にはいつも俺がいたいのに。あー、舞にヤキモチ焼く」と真顔になり、あげくの果てには「夫婦の永遠の愛を誓うフライト、川原さん企画してくれないかな。エターナルフライト、とか」とまで言い出したのだ。

「絶対にダメですよ!」と念を押しておいたが、恵真はまだ心配だった。

(もう、大和さんたら。美味しい桃ときびだんご買って帰って、気をそらそう)

そう思いつつ、恵真は舞とシップに乗り込んだ。