その日の夜、マンションに帰宅した恵真は、野中がラストフライトを終えてオフィスに戻って来た時の様子を、大和から詳しく聞かせてもらっていた。
オフィスで見送ってから恵真も別のフライトになり、逆にフライトから帰って来た大和は、ラストフライトを終えた野中をオフィスで出迎えることが出来たらしい。
「彩乃さんから花束を受け取って、翔一くんに肩章を託して……。なんだか俺も感慨深かったよ。野中さんは、いてくれるだけで心の支えだったから。もう一緒に飛べないなんてな」
「本当に。でもラストフライトを無事に迎えられたことは、パイロット人生で最高の瞬間でもありますよね」
「そうだな。最後まで乗客乗員の全員を無事に下ろせたってことだから」
「はい。これからは空でご一緒になることはありませんが、地上教官として支えていただけたら」
「ああ。野中さんはいつまでも俺達の誇れる先輩だ」
「ええ」
そして大和は、そっと恵真の肩を抱き寄せた。
いつか必ずやって来るラストフライト。
その日に想いを馳せ、気持ちを新たにする。
(ひとつひとつのフライトを大切にしていこう。カウントダウンは、きっともう始まっている)
込み上げる寂しさと、今この腕の中にある幸せ。
大和は胸を切なくさせながら、恵真の髪にそっと口づけた。
オフィスで見送ってから恵真も別のフライトになり、逆にフライトから帰って来た大和は、ラストフライトを終えた野中をオフィスで出迎えることが出来たらしい。
「彩乃さんから花束を受け取って、翔一くんに肩章を託して……。なんだか俺も感慨深かったよ。野中さんは、いてくれるだけで心の支えだったから。もう一緒に飛べないなんてな」
「本当に。でもラストフライトを無事に迎えられたことは、パイロット人生で最高の瞬間でもありますよね」
「そうだな。最後まで乗客乗員の全員を無事に下ろせたってことだから」
「はい。これからは空でご一緒になることはありませんが、地上教官として支えていただけたら」
「ああ。野中さんはいつまでも俺達の誇れる先輩だ」
「ええ」
そして大和は、そっと恵真の肩を抱き寄せた。
いつか必ずやって来るラストフライト。
その日に想いを馳せ、気持ちを新たにする。
(ひとつひとつのフライトを大切にしていこう。カウントダウンは、きっともう始まっている)
込み上げる寂しさと、今この腕の中にある幸せ。
大和は胸を切なくさせながら、恵真の髪にそっと口づけた。



