羽田空港と新千歳空港の往復。
それが野中のラストフライトとなる。
FOデューティーとして伊沢が右席に座り、翔一がオブザーバーシートに座って見学することになった。
キャビンには、妻の彩乃も乗る。
「恵真さん、どうしよう。もう私、胸がいっぱいで……」
特別に、搭乗前にオフィスでのブリーフィングの様子を見守る彩乃は、目を潤ませながら恵真に話し始めた。
「私の人生は、真一さんと出会えたからこそなの。飛行機で出会って、パイロットの彼を好きになって、ずっとその姿を見つめて誇りに思ってた。翔一もお父さんの背中を見て、憧れて、同じ道を目指してる。ああ、もう私、今日は身体中の水分が全部涙になりそう」
そう言って握りしめたハンカチに顔をうずめる彩乃の背中を、恵真はそっとなでる。
「私も野中さんには、本当にお世話になりました。野中さんがいてくださって、どんなに助けられたか。彩乃さん、野中さんはいつまでも私の大先輩です」
「うう、恵真さん。これ以上泣かせないで」
「しっかり見届けて来てくださいね。親子三人でのラストフライトを」
「そうね。一緒にその時を迎えられるなんて、よく考えたら幸せだわ。この目に焼きつけてくる」
「ええ、行ってらっしゃい」
ブリーフィングを終え、伊沢と共にシップへ向かう野中を、オフィスにいた全員が立ち上がって見送る。
「行ってらっしゃい、良いフライトを」
「行ってきます」
キリッとした表情で頷いた野中に、彩乃はまた目を潤ませていた。
それが野中のラストフライトとなる。
FOデューティーとして伊沢が右席に座り、翔一がオブザーバーシートに座って見学することになった。
キャビンには、妻の彩乃も乗る。
「恵真さん、どうしよう。もう私、胸がいっぱいで……」
特別に、搭乗前にオフィスでのブリーフィングの様子を見守る彩乃は、目を潤ませながら恵真に話し始めた。
「私の人生は、真一さんと出会えたからこそなの。飛行機で出会って、パイロットの彼を好きになって、ずっとその姿を見つめて誇りに思ってた。翔一もお父さんの背中を見て、憧れて、同じ道を目指してる。ああ、もう私、今日は身体中の水分が全部涙になりそう」
そう言って握りしめたハンカチに顔をうずめる彩乃の背中を、恵真はそっとなでる。
「私も野中さんには、本当にお世話になりました。野中さんがいてくださって、どんなに助けられたか。彩乃さん、野中さんはいつまでも私の大先輩です」
「うう、恵真さん。これ以上泣かせないで」
「しっかり見届けて来てくださいね。親子三人でのラストフライトを」
「そうね。一緒にその時を迎えられるなんて、よく考えたら幸せだわ。この目に焼きつけてくる」
「ええ、行ってらっしゃい」
ブリーフィングを終え、伊沢と共にシップへ向かう野中を、オフィスにいた全員が立ち上がって見送る。
「行ってらっしゃい、良いフライトを」
「行ってきます」
キリッとした表情で頷いた野中に、彩乃はまた目を潤ませていた。



