Good day ! 5

やがて羽田が近づき、着陸態勢に入った。

次は大和が操縦桿を握る。

着陸決心高度の100フィート手前に到達すると、恵真がコールした。

「Approaching minimum」
「Checked」

大和も確認して呼応する。

「Minimum」
「Landing」

B777は、B787と比べて機体が大きく重い。

揚力を維持する為、その分スピードを落とさず着陸しなければならない。

B777にもかなり慣れたとは言え、やはりB787と比べると緊張感が違う。

恵真がグッと前を見据える中、大和は軽やかに滑走路にギアを接地させた。

(えっ、すごい! なんてソフトなランディング)

心の中で感心しつつ、計器類に目を走らせてコールする。

「Speed brakes up」
「Reverse normal」

機体はスラスト・リバーサーで一気にスピードを落としていく。

「Sixty knots」

管制官から指定された誘導路を通ってスポットに到着し、無事に車輪がブロック・インされた。

「ナイスランディング! お疲れ様でした」

恵真が満面の笑みで大和に声をかける。

「お疲れ様。ん? なんでそんなに嬉しそうなの?」
「だってキャプテンのランディング、とっても素晴らしくて! トリプルセブンでも涼しい顔してスッと下りるなんて、本当にすごいです」

目を輝かせる恵真に、大和は頬を緩める。

思わず手を伸ばして肩を抱き寄せようとすると、恵真にグイッと押し返された。

「チェッ。ちょっとくらいいいだろ?」
「ダメです! ほら、見て」
「ん?」

恵真の視線を追うと、パッセンジャーボーディングブリッジを渡る乗客が、コックピットに向かって手を振っているのが見えた。

皆、立ち止まり、ガラス越しに二人に嬉しそうな笑顔を向ける。

恵真と大和も、会釈して手を振り返した。

「わあ、皆様ありがとうございます。お気をつけて。またお会いしましょう」

恵真は両手を振りながら、一人一人を笑顔で見送っていた。