二人で通学路を歩いてく。
学校に着いてちょっとだけドキドキしながら、クラス替えの掲示板を確認する。

「あ、あったよ。私3年D組だった! 朔は?」

「僕もD」

え!? 朔も同じクラスなの?

「私たち、今まで同じクラスになったことある?」

「小学校以来だな」

「じゃあ、な、なにゆえ……?」

男の子って文系少ないイメージなんだけどなぁ。
それに、まだ思い出した記憶の断片があることを伝えてないけど朔って確か宇宙飛行士になりたいって。
宇宙とか、めっちゃ理系なような??

「あーかりー!!!」

すると栞が向こうから元気にかけてくる。
僕、先いくねと、朔は教室に入ってくのを見送る。
栞には朔よりさらに強い力でぎゅうっとされる。

「栞、おはよ」

「おは。じゃなくて! クラス替え! うちら今年も一緒のクラスだよ♡」

「えへへ。嬉しい。栞、今年もよろしくね」

「うんうん!! 灯のことはあたしがBIGLOVEで包み込む……じゃなくて、朔くんのこと!」

「ん?」

「ん?、じゃないよ! なんでうちらと同じクラスなのよ。特進はAだよ。しかも理系から転科してるし。朔くんと一緒♡と勉強ガチってた取り巻き女子たちが大騒ぎだよ」

「そぉなの? 朔、どうしたんだろ?」

「さぁ? 彼女なんだから自分で聞いたら」

「ーーか、かのじょ?」

栞はため息をつきながらも、何故か優しく頭を撫でてきた。

「灯ちゃん。学校一のイケメンが彼氏になって思わず自慢したくなる気持ちはよぉーく分かるけど何度も言わせないでよ。君たちはクリスマス前に結ばれた、公認カップル♡彼氏彼女!」

「栞、あのさ私たちたぶん、別れてる……?」

そこで栞は頭を撫でたまま固まった。

「いやいや展開早すぎでしょって! なんでよ!?」

「うーん。分かんない」

「分かんないことある!?」

栞は再びぎゅうっと抱きしめてきた。

「つまりそのくらい今は傷心なんだ。浮気だったら朔くんを〆あげるけど違うよね?」

「うん、それは違う」

ならいいならいい、と栞は慰めてくれた。
状況がよく掴めないけど、朔はすごく頭が良くて、女子からも人気があるのに、私と付き合ってた?
しかも、特進いけるのに、なんで同じクラスに?