「俺も毎日楽しいです。香澄さんと一緒に過ごす日々がすごく大切で、幸せです。だから……これからも香澄さんの笑顔を一番近くで見れる権利、俺だけにくれますか?」
「ふふっ。うん、もちろん。その代わり、慎くんの笑顔を一番近くで見れる権利も、私にくれるんだよね?」
「もちろんです。クーリングオフは受け付けてませんからね」
無邪気に笑った慎は、香澄をぎゅっと抱きしめた。
「それじゃあ、一緒に目玉焼きを作り直そっか」
「はい! ご指導よろしくお願いします」
「ふふ、任せておいて」
二人でキッチンに立って、朝食の準備を再開することにする。
並んだ互いの薬指には、お揃いのペアリングがきらりと光っていた。
Fin.



