激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

どこからどこまでが城なのか、
ルチアには検討もつかないほど
果てしない城。
そのくせ、
噂が回るのは光の速さ並みだ。

その日のうちに大広間で
「陛下がついにルチア様へ求婚した!!」
という噂が爆速で流れた。

「おめでとうございます陛下!」
「ご婚約おめでとうございますルチア様!」
「祝いの準備に取りかかれ!盛大な宴だ!」

まだ本人の返事すら終わってないのに、
宮廷中が勝手に祝勝モードへ。

ルチアは真っ青になった。
(やばいやばいやばい!!完全に既成事実化してる!!)

侍女はキラキラした目で
「おめでとうございます」と言い、
側近は「準備は万端です」と言い、
兵士に至ってはすれ違うたび敬礼してくる。

もちろん原因は――
満面の笑みで上機嫌なビンセントである。
彼の笑顔を見れば誰だって思うはずだ。
ルチアがビンセントのプロポーズを受け入れたと。