「……まだ返事はできないわ」
ようやく声を絞り出す。
とりあえず返事を保留して、
この場を切り抜けなきゃ。
ルチアの答えに、
ビンセントの顔が曇る。
「なぜだ? 何が不安なんだ?
俺はお前の望むことは何だってする」
(いや、そういう問題じゃないのよ!?)
追い詰められたルチアは、
つい思いつきで口走ってしまった。
「わ、私……!結婚するなら……
毎月、宝石を十箱!
ドレスは季節ごとに新調して……!
それから私の部屋にはアズールティアから職人を呼んで――」
どう考えても“断られるための条件”。
聞いていて自分でも頭が痛くなる。
それでも思いつくままに口走った。
(これでさすがに諦めてくれるはず……!
皇帝でも限度ってものがあるでしょ!)
――と。
ビンセントは無言でルチアを見つめた。
長い、長い沈黙。
心臓が止まりそうになる。
彼はなんと答えるのだろうか。
「……それだけでいいのか?」
彼から出てきたのは
ルチアの予想の斜め上をいくものだった。
「…………え?」
「そんなもの、いくらでも用意してやる。
俺がその条件を飲めば――俺と結婚してくれるってことだよな?」
彼は真顔だった。
彼は本気だった。
ルチアの視界が一瞬ぐにゃりと歪む。
(は……?
いやいやいや!!そんなバカな!?)
あまりにあっさり受け入れられて、
逆に恐怖を覚える。
ようやく声を絞り出す。
とりあえず返事を保留して、
この場を切り抜けなきゃ。
ルチアの答えに、
ビンセントの顔が曇る。
「なぜだ? 何が不安なんだ?
俺はお前の望むことは何だってする」
(いや、そういう問題じゃないのよ!?)
追い詰められたルチアは、
つい思いつきで口走ってしまった。
「わ、私……!結婚するなら……
毎月、宝石を十箱!
ドレスは季節ごとに新調して……!
それから私の部屋にはアズールティアから職人を呼んで――」
どう考えても“断られるための条件”。
聞いていて自分でも頭が痛くなる。
それでも思いつくままに口走った。
(これでさすがに諦めてくれるはず……!
皇帝でも限度ってものがあるでしょ!)
――と。
ビンセントは無言でルチアを見つめた。
長い、長い沈黙。
心臓が止まりそうになる。
彼はなんと答えるのだろうか。
「……それだけでいいのか?」
彼から出てきたのは
ルチアの予想の斜め上をいくものだった。
「…………え?」
「そんなもの、いくらでも用意してやる。
俺がその条件を飲めば――俺と結婚してくれるってことだよな?」
彼は真顔だった。
彼は本気だった。
ルチアの視界が一瞬ぐにゃりと歪む。
(は……?
いやいやいや!!そんなバカな!?)
あまりにあっさり受け入れられて、
逆に恐怖を覚える。



