激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

この小屋には布団がないため、
寒さ対策で体を寄せるしかない状況。

「夜は冷える。こっちに来い。」
そう言うと、
迷いなく自分のマントを広げ、
恥ずかしがるルチアを
そっと腕の中へ引き寄せる。

「えっ、ちょ、ちょっと……!!」
大パニックのルチア。
が、外は凍えるほど寒い。
暖を求めて仕方なく身を預けるルチア。

ビンセントの胸に耳をあててしまった瞬間ーー
鼓動が「ドクンッ!」と大きく響いた。

ビンセントは思う。
(やめてくれ……そんな近くで心臓の音を聞くな……余計に暴れてしまう……)

ルチアの心臓も
ビンセントのそれに比例するように
加速していった。
(あああなんでこんなにあったかいの……落ち着かない……!)

ビンセントはルチアの肩を軽く抱いて、
顔を彼女の髪に埋める。
「守りたい」という気持ちが
本能レベルで溢れ出していた。

外も嵐だが、
小屋の中はもう完全に
恋の嵐が吹き荒れていた。