激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

そんな時だった。
突然の豪雨が二人を襲う。
小屋まで駆け込む二人は、
すでにびしょ濡れだった。

ルチアの服が肌に張りつき、
なんとも艶めかしい色香を放っている。
ビンセントは絶対見てはいけないと思いながら、
ちらちら視線が泳いでしまう。

ビンセントは自分に言い聞かせる。
「落ち着け……これは礼儀の問題だ……けど……目が勝手に……」

雨はなかなか止まず、
この小屋で夜を明かすことに。
昼から何も食べていない二人は
当然お腹がすく。
さっき湖で釣った魚を食べることにした。

ルチアが魚を捌く手元はプロ級だ。
ビンセントはすっかり見とれている。

逆に、
ビンセントは火起こしや
簡易料理セットの使い方が
軍人仕様で手際がいい。

ルチアは思う。
「……頼れる。なんか、ずるいくらいカッコいいじゃない……」

食後、
焚き火の光で照らされるビンセントの横顔。
まだ少し濡れた髪が額に張り付いて、
色気が爆発している。

ルチアは見ないようにしてるけど、
彼の横顔が気になって仕方ない。
「……そんなにチラチラ見られると気になるんだけど。」

ビンセントの指摘に頬が熱くなるルチア。
「別にそんなチラチラ見てなんか……ない…けど……(なにこの空気!?)」

焚き火のパチパチ音だけが響く。
ふたりの沈黙は甘すぎて
息が詰まるようだった。