激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

そしてファティマとデクランは
ドラゴニア帝国に到着する。

元皇女の久しぶりの帰還に
宮廷中が「皇女殿下だぁ!!」と騒然。
ビンセントも走って出迎える。

「姉上!ようこそ。元気そうで何よりです。姉上の好きな茶葉でお茶の用意が――」

「ビンセント、話があるの。」
滅多にない低い声のトーンだけで、
弟は動揺する。

「……え?」

応接間に入るやいなや、
早速始まる、姉の超正論パンチ。
「聞いたわよ。ルチアを“囲い込んでる”んですって?
ビンセント、自分の気持ちを押しつけて満足するのが愛だと思ってるの?」

愛する姉の言葉は
ビンセントにグサリと突き刺さる。

「お、押しつけてなど……していない……と思う……」

「思ってるのはあなただけよ。」

ファティマは容赦なく続ける。
「彼女が不安で、帰りたがってるって気づいてる?
好きなら、好きなほど、彼女の気持ちを尊重しなきゃだめでしょう!」

ビンセントは完全に返す言葉を失う。

姉弟の様子を静かに見守りながら
デクランは心の中で呟く。
(ファティマ……容赦ないね……)