激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

すぐさま医務室に運ばれたルチア。
ルチアは意識を取り戻したが、
ひどく衰弱してベッドに横たわっている。

普段なら毅然としている彼女が弱々しい声で
「……ビンセント……?」とつぶやく。

ビンセントは治療師たちに道を開けさせ、
彼女のそばにしゃがみ込む。
「俺が分かるか?……ルチア」

ビンセントの問いかけに
ルチアか弱々しく頷く。

「もう喋るな。お前は……今はただ、息をしていればいい。」
その声が震えていることに、
周囲の者たちは気づく。
彼はルチアの手を包み込むように握るが、
身体が熱くて一瞬息を呑んでしまう。

「なんでこんなに身体が熱い!!」

「そ、それは……」
侍従が申し訳なさそうに口を開く。
「今朝のことなのですが、ルチア様のお飲み物に何やら入れられたようで」

「なぜそれを直ぐに報告しないのだ!」

「申し訳ございません。ルチア様が固くお止めになったもので。自分は問題ないからと。」

「熱が出ているのは身体が抵抗しているからです。幸い命に別状はありませんが、しばらく安静が必要です」
宮廷医がそう告げても、
ビンセントの表情は硬いままだった。