激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

一方で、
ルチアの自然体な振る舞いは
他の候補者たちからは芳しく映らない。
傲慢な帝国令嬢が、
ルチアを見て鼻で笑う。

「まぁ……田舎の島国から来た姫君に、帝国の晩餐会は刺激が強すぎるかしら?」

ルチアは萎縮するどころか、
ワイングラスをくるっと回しながら微笑む。

「そうね。田舎者だからよく分からないわ。
──社交の場で嫌味を言うのは挨拶代わりなの?」

令嬢たち「「「ひっ……!」」」

周囲の空気が一瞬凍る。

大臣たち
「(つ、強い…………!)」

重臣
「(全く物怖じしない堂々さ……これは……)」

強烈な嫌味も
全く意に介さないルチアであった。

ビンセントは自覚のないまま、
視線をルチアに向け続けていた。

「(なんなんだ……あの女は)」

「(姉上の結婚式で、俺を一喝した時と同じ……あの芯の強さ……)」

「(……気になる……? いや違う、ムカつく……いやでも……)」

大臣(ひそひそ)
「陛下……」
「……ルチア王女を見すぎです」
「ええ、本当に見すぎです」

ビンセント
「違う!!!あの女が何かやらかさないかと監視しているだけだ!!! あの女は危険だ!!」

臣下たち
「(いやいや……)」