激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

一方のルチアは悠然としていた。
彼女は無意識に
“本来の自分”を発揮してしまう。

「こっちの方が受け取りやすいでしょう?大皿をちょっと動かしますね。」
アズールティアでは当たり前の“助け合い”。
だがその他の貴族令嬢たちには衝撃だった。
「えっ……王女なのに?」と驚愕。

(王女様がこんなに気さくで……優しいなんて……)
上から目線で指図されることが
普通の使用人たちからは好印象だ。

ビンセントも遠くから
チラチラと視線を送っている。
(なにをしてるんだ……あの女)

審査のことなど
頭から抜け落ちているルチアは、
使用人とも自然に会話を続ける。
「この肉料理は珍しいわね。どんな工程で作るの?わー、そうなのね!」
海の国生まれルチアにとって
今まで肉料理を食べる機会は
ほとんどなかった。
ファティマのお願いでいやいや来たが、
こんな美味しい肉料理を食べられるなんて、
そのかいがあったというものだ。

使用人は緊張していたが、
ルチアの親しみやすい性格に心を開いていく。
「アズールティアの王女様……なんて気さくで……!」