激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する

まずは帝国史の筆記試験。
候補者たちは震える手で、
これまで必死に暗記した内容を高速で書き込む。

その中で、ルチアはというと。

彼女の答案は――まさかの白紙。

「……あの、王女殿下?空欄が……」

「帝国民じゃないから知りません。
知ったかぶって間違えるより誠実でしょう?」

官僚たち、しばし沈黙。

そして次の瞬間。
官僚A「……“分からないことを分からないと言える”……これは政治的に極めて重要な資質では?」

官僚B「むしろ誠実。高評価だ。」

官僚C「常に虚栄で飾る貴族とは違い、王女殿下は正直である!」

その結果、
ルチアは白紙で出したにも関わらず、
意味不明な高評価を獲得してしまった。

候補者たち
(((なんでよ!?!?)))

続いては
皇帝とのティータイムと銘打った
お茶会が行われる。

幾人かの候補者と喋った後、
ビンセントはついにルチアのもとに来た。
「……なぜ来た?」

「ファティマにお願いされたからよ。まぁ、あと帝都見物も面白そうだなって。」

「お前自身はやる気がないってことだな?」

「“姉上以下の女は眼中にない”とか本気で言う皇帝のこと、誰が好きになるのよ?」

「…………」

官僚たちは圧倒される。
(((この女性、皇帝陛下に物申せる胆力……!皇后向き!?)))

まさか評価されてるとは
露ほども思っていないルチア。
「最初にはっきり言っとくけど。皇后になる気なんてゼロよ。」

その一言を聞いた瞬間、
ビンセントの胸がなぜかチクリと痛む。
(な……なんだ今の……?)