『え、ちょっと待って。由佳サンとの契約は " 亜優菜チャンを " だよな… ?なのにどうして愛優まで… 』
「あの子は亜優菜だよ」
『…え?』
「んー 結城に話すなら、亜優菜の魂を新しい器に転生させたって言った方が分かりやすい?あの子と一緒に暮らして来て違和感感じたことねえの?」
愛優が萌チャン?
似てるのは萌チャンの腹の中から出て来た子だからと思ってたし… でも改めて思い返せば、初めて陸と愛優に会わせた時、愛優は陸に潜在意識を見られたことで " 思い出したこともある " と、言っていた。
結城と呼び捨てで呼んだ事もあった…
「悪魔との契約期間中の人間は死にたくても死ねない、生き返らせる事なんて簡単。ばばあに自分の代わりにあの子を生き返らせて欲しいって頼まれたんだよ」
由佳サンは
そこまでして萌チャンのことを…
「だから異常なほど早かったろー、成長が。愛優本人も無自覚でありながら気付いてんじゃない?自分の中に遠い記憶が眠ってるってこと」
" 結城おじチャンのお嫁さんになる "
愛優がずっと言い続けて来た言葉
この気持ちは萌チャンの気持ち。
今まで娘として育てて来た相手が…
・愛した女
・大切な妹を殺した女
・妹の明日香チャンを殺した女
複雑過ぎて考えれば考えるほど頭を抱えたくなる
「ま、殺せたと思った結城が生きてるとなると向こうからお出迎えしてくれるよ… ほら、な」
結城のいる病室に
いかにも何かに操られてます的な雰囲気の
看護士3.4人が足を引きずり入って来る…
『普通の人間?ち、千紘殺すなよ!』
「… 言うと思った、わかってるって」
ここが個室で良かった
千紘はゾンビのような動きで向かって来る
看護士3.4人に呪文を唱え手の平を翳す。


