「そっか。」
翔多は苦笑いしながら、芽依が大事そうに抱えていたお弁当に視線を落とした。
「それ、佑陽に渡そうと思って作ってきたんだろ?」
「うん。でも、佑陽くんいないし···。翔多くん、よかったら食べて? もったいないから」
そう言って芽依はお弁当を翔多の手元に押し付け、消え入るような声で呟く。
「えっ!? ちょ、芽依ちゃん!?」
驚いて引き留める翔多だが
芽依はすぐにその場を後にした。
いつもなら教えてくれるはずの予定すら知らされていなかった事実が、ズキッと重く心にのしかかっていた。
(本当に···避けられてるのかな)
その日の夜。
仕事を終え帰宅した佑陽。
スマホの画面を開くも、芽依からの連絡は来ていない。
(···はぁ)
腕で顔を覆い、深くため息をつく。
自分から芽依に連絡しない日は
今回が初めてだった。
思い出すのは
芽依と言い合いをしてしまったあの時の事。
‘’過去の私はいなかったみたい”
その言葉がどうしても
深く胸に突き刺さる。
事故にあい、佑陽の事を
忘れてしまった芽依。
芽依が忘れてしまっても
当然佑陽の中には
すべての芽依との大事な記憶が残っている。
それを
‘’いなかったみたい”
‘’佑陽くんにはわからない”
と言われ
さすがの佑陽も堪えていた。
「俺の気持ちだって。わかんねぇだろ···」
その言葉を発した瞬間
はっと後悔する佑陽。
「···何言ってんだ、俺」
記憶をなくしてしまった
芽依の方が何倍も苦しくて、不安なはずなのに。
翔多は苦笑いしながら、芽依が大事そうに抱えていたお弁当に視線を落とした。
「それ、佑陽に渡そうと思って作ってきたんだろ?」
「うん。でも、佑陽くんいないし···。翔多くん、よかったら食べて? もったいないから」
そう言って芽依はお弁当を翔多の手元に押し付け、消え入るような声で呟く。
「えっ!? ちょ、芽依ちゃん!?」
驚いて引き留める翔多だが
芽依はすぐにその場を後にした。
いつもなら教えてくれるはずの予定すら知らされていなかった事実が、ズキッと重く心にのしかかっていた。
(本当に···避けられてるのかな)
その日の夜。
仕事を終え帰宅した佑陽。
スマホの画面を開くも、芽依からの連絡は来ていない。
(···はぁ)
腕で顔を覆い、深くため息をつく。
自分から芽依に連絡しない日は
今回が初めてだった。
思い出すのは
芽依と言い合いをしてしまったあの時の事。
‘’過去の私はいなかったみたい”
その言葉がどうしても
深く胸に突き刺さる。
事故にあい、佑陽の事を
忘れてしまった芽依。
芽依が忘れてしまっても
当然佑陽の中には
すべての芽依との大事な記憶が残っている。
それを
‘’いなかったみたい”
‘’佑陽くんにはわからない”
と言われ
さすがの佑陽も堪えていた。
「俺の気持ちだって。わかんねぇだろ···」
その言葉を発した瞬間
はっと後悔する佑陽。
「···何言ってんだ、俺」
記憶をなくしてしまった
芽依の方が何倍も苦しくて、不安なはずなのに。



