秘密な恋愛

​「そっか。それは私も、芽依の気持ちをちゃんと分かってあげられてなかったね。···ごめんね?」

「ちがう! 謝らないで? 私も自分の気持ちをはっきり言わなかったのが悪いんだから···」

​由奈は申し訳なさそうに芽依に
話しかける。
そして由奈は少し間を空けてから
ぽつりと話し出す。



「芽依、佑陽くんが過去の芽依の事も大事にしてくれてる事。ほんとはちゃんと分かってるんでしょ?」

由奈の言葉に芽依は
静かに頷く。


「わかってるよ。昨日は、余裕なくて佑陽くんに酷いこと言っちゃった。佑陽くんから連絡ないし。さすがに···嫌われちゃったかな」

とふと目を潤ませながら
芽依は呟く。

「嫌われるわけないじゃん」

​由奈は即座に、けれど優しく断言した。

​「あんなに芽依のことしか見えてない佑陽くんが? 芽依を嫌うなんてありえない!今はきっと、佑陽くんもどう接したらいいか分かんなくて悩んでるだけだって」

​「そうかな」

​「そうだよ。だからさ、芽依からちゃんと話しかけて謝ってきな。 春休み旅行いくんでしょ?」

「うん···」

由奈は芽依を励ますように、
ポンっと優しく背中を押した。





そして昼休み。
ギュっとお弁当を抱え、芽依は1組へと
ドキドキしながら向かう。


そっと教室を覗くが
佑陽の姿はなく···


(いない?)

その時、教室を覗く芽依に
声をかける翔多。

「芽依ちゃんどうかした?」
「あっ、翔多くん。···佑陽くんは? 」

芽依の言葉に一瞬不思議そうな表情を見せる翔多。

「え?もしかして聞いてねぇの?今日あいつ、1日向こうだって」

「聞いて···ない」

翔多の言葉を聞いて、胸の奥がキュッと苦しくなる芽依。

いつもなら前日に
教えてくれるはずなのに。
佑陽からは、なにもなかった。


戸惑う芽依に翔多は

「もしかして。喧嘩してる?」
「昨日··。」