秘密な恋愛

(あれ···?)
その時
ふと

“前にも、ここでされたような”

と思い浮かぶ芽依。

「···佑陽くん」

「ん?」

「前にも、ここでキスしてくれた?」



それは
体育祭の終わり。
同じ図書室で
佑陽がキスした記憶だった。



また1つ。
2人の記憶をうっすらだが思い出した芽依。


目の前で
少し目を潤ませる芽依に
佑陽の胸はキュっと苦しくなる。


「同じことすると思い出すって。ほんとかもな」
佑陽はふっと
芽依に優しく笑いかける。


「えっ、じゃあほんとに···」

「体育祭の終わりにな。俺がリレーに勝ったご褒美に。芽依にキスした」


“ご褒美”
その言葉に芽依は頭にある事を思い返す。


「ご褒美···。あっ!」

冬休み前のテスト勉強の時。
ご褒美という言葉に、芽依は

“前にも言われた気がする”

と聞いたのに
はぐらかした佑陽。


芽依が何かを思い出したのが
わかったのか

「あ、やべぇ···」


“しまった”

というように視線を逸らす佑陽。


「佑陽くん!あの時、私聞いたのにっ!!」

「あー···そうだな?」

「なんで、はぐらかしたの?!」

「いや。なんつーか··。キスしたなんて言うのもったいねぇなって··」

「もったいない?」

佑陽の言葉に
ぽかんとする芽依。


「いいって、知ろうとしなくて」



(芽依の反応見たかったなんて、言えるかよ··)

あの時の事を思い出したのか
少しだけ顔が熱くなるのを感じる佑陽。

「えっ?!ずるいっ」

「なんでだよ笑。ほら、帰るぞー。行きたいカフェあるんだろ?」

「あっ、そうだった!あのね、そこのカフェのね···」

と芽依はすっかり
放課後デートへと頭に切り替わり
楽しそうに話しだす。

それをみて、ふと佑陽も
自然と笑みを浮かべた。