秘密な恋愛

その時

「待ちなさい」

先ほどとは違い、穏やかな声。
「···驚いたよ。すまないね。意地の悪い質問をしてしまって。申し訳ないが、少し試させてもらった」


「えっ?」
ぽかん、とする芽依


「先程私が言った言葉は、全部嘘だよ。商品だなんて。思ったことがない。··あいつは、私にとって自慢の息子だよ」

「あの····」

状況が掴めない芽依。

「驚いただろう。本当にすまないことをしたね」

申し訳なさそうに、芽依に謝罪する父。

「母親を亡くして、心ここに在らずだったあいつが。あんなに変われた、きっかけを作ってくれた君がどんな子なのか。知りたくなってね。···あいつが必死になるのも分かったよ。」


父の話しを聞き
全てを理解した芽依は
恥ずかしさから、顔が熱くなる。

「あっ····。ごめんなさいっ。私すごく失礼なことっ···」

「謝らないでくれ。謝るのはこっちだ。」

ふと父は廊下へと視線を送り

「聞いてたんだろ。佑陽」

その言葉のあと、
ゆっくりと部屋へと入る佑陽。

その表情は、どこか切ないような。
今にも、泣きそうな表情だった。

「佑陽くん···」

「困るような事言うなって言っただろ、俺。なのに··親父が芽依にあんな事いうから。1発殴ってやろうとしたらさ··。」


父の発言に対し、それを聞いていた佑陽は殴り掛かるところだった。

でも。芽依がはなしはじめ、
佑陽は黙って話しが終わるまできいていた。