秘密な恋愛

芽依に過去の自分の話を打ち明けてくれた佑陽。
佑陽の思いが分かっているからこそ、
“商品”
と言われてモヤモヤと心が曇りだした。




「君も。あいつの隣りに居れて、誇らしいだろ」

父の言葉を聞いた瞬間。


「あのっ···」

ドクドクとなる鼓動。
震える手。


「ん?どうした」

「商品なんて言い方···。酷いです。」

芽依の言葉に
ピクリと動く父の指。

「酷い?」

「佑陽くんは··ただモデルをしてるんじゃないんです。きっかけがお母様で。そのおかげで、今もあんなに楽しそうに仕事してるんです。笑ってほしくてはじめたことを“商品”なんて。酷すぎます」


潤みながら必死で伝える芽依の言葉を、静かに黙って聞く父。

「それに···っ」

​芽依は膝の上で両手をぎゅっと握りしめた。

​「私じゃなくて。佑陽くんの方が、私の傍にいてくれてるんです。事故で忘れてしまった私のそばに。ずっといてくれて··たくさん傷つけたのに。いつも私を気にかけてくれて。感謝したいのに、しきれないくらいなんです。··お父様にこんな事言うのは失礼ですが···。そんな風におっしゃるあなたの傍に。佑陽くんを居させたくありません。···ごめんなさい。今日は帰ります」

芽依は涙ぐみながら、席を立とうとする。