秘密な恋愛

「芽依が嫌なら、俺、親父と交渉して···」
佑陽が言いかけた時だった。


​「ううん。私、ちゃんと会いたい。佑陽くんのお父さんに」
​「は? 芽依··?」

​予想外の返答に、佑陽は弾かれたように芽依の顔を見つめた。
芽依は緊張で少し心臓をドキドキさせながらも、真っ直ぐに佑陽の瞳を見つめ返して微笑む。


​「佑陽くんだって、きちんと私のパパとママに挨拶してくれたもん。私だって、佑陽くんの大切なお父さんに会いたい」

​「芽依···」

​「それに。旅行潰れちゃうの嫌だもん」
​最後は少し照れくさそうに、視線を落としてぽつりと呟く。

​(あー···クソ。可愛すぎるだろ···)

​どこまでも真っ直ぐに自分を想ってくれる芽依の姿が、愛おしくてたまらない。


​「本当、芽依には敵わねぇな」

​佑陽は降参したようにそう言うと、芽依をそっと自分の腕の中に引き寄せ、愛おしそうにぎゅっと抱きしめた。


​「佑陽くんっ···」

​お正月の大イベントが急に決まって緊張はするけれど、佑陽の腕の温もりを感じながら、芽依の心は不思議と温かい決意で満たされていた。