秘密な恋愛

翌日。
佑陽の部屋のテーブルで、
学校の課題をする芽依。

​その傍ら、ソファーに仰向けになりながら、
ぼーっと天井を見つめている佑陽。

その頭の中にあるのは、もちろん昨日の父親とのやり取りのこと。


​どこか様子のおかしい佑陽が気になり、
芽依はペンを動かす手を止め、声をかける。

​「佑陽くん? 何かあった?」

​突然の芽依の声にハッと我に返った佑陽は、
少し気まずそうに視線を泳がせながら、ゆっくりと上体を起こした。

​「あー、いや。別に何でもねぇよ」
​そう言って誤魔化そうとするものの、その表情は明らかに何かを抱え込んでいる。

​「本当に? ずっと難しそうな顔してたよ。」

​芽依が心配そうに真っ直ぐな瞳で見つめてくる。

その純粋な優しさに触れて、佑陽は
“はぁ…”
と降参したように大きな溜息をついた。

これ以上隠し通すのも無理だし、何より春休みの旅行を人質に取られている以上、話さないわけにはいかない。