秘密な恋愛

​父親の言葉に、佑陽は言葉を詰まらせた。

“あの事”

その日以来、どこか周囲に壁を作り、
他人への態度も冷たくなりがちだったが、
親友の翔多がそばにいてくれたからこそ、なんとかやり過ごしてこられた。

気を紛らわすようにして、
ひたすらモデルの仕事にばかり集中してきた。


​けれど、芽依と付き合うようになってから。
固まっていた苦しい心が、少しずつ、優しく解けていくのを感じていた。


​それは
モデルの
“ハル”
としての仕事にも確実に影響を与えている。

最近では世間や周囲からも、
“前よりもさらに魅力的な雰囲気になった”

と評価されることが増えていた。
すべては、芽依が隣にいてくれるからこそだった。

​それを父親に見抜かれていたことが気恥ずかしく、佑陽はふいっと顔を背けた。