秘密な恋愛

​「仕事も順調そうだな」
「当たり前だろ」

​そっ気なく返して、

“じゃあ俺、帰るわ”
と佑陽がリュックを肩にかけようとした、
その時だった。

​「そうそう。見たぞ、あの記者会見」

​“記者会見”

その言葉に、佑陽の動きがピクッと止まる。

​「···それがなんだよ?」

「お前があそこまで本気になる子が気になってな。正月明けまでこっちにいる。会わせなさい」

​にっこりと笑う父親の顔は、
優しくもどこか迫力があって怖い。

​「は? なんでだよ」
「息子の大事な彼女に会いたいと思うのは、父親として当たり前だろう?」

​父親は軽く息を吐き出すと、
少しだけ真面目なトーンに声を落とした。

​「···あの事があって以来、どこか心ここに在らず···だったお前が、最近は雰囲気が変わった。その子のおかげなんだろ?」


​「···っ」
​父親の言葉に、佑陽は言葉を詰まらせた。