秘密な恋愛

荷物をまとめ、
借りていた本を返しに
帰り道図書室へと寄った芽依。


返し終え帰ろうとした
その時、
廊下から同じ学年の男子たちの話し声が聞こえてきた。

「なぁ、2組の芽依ちゃんさ」

自分の名前を呼ばれ
咄嗟に芽依はドア越しに身を隠した。

(私··?)

「マジなんだな、あの話」

「あー。佑陽の記憶だけないってやつ?」

その言葉に
ドクン。
と鼓動が鳴る。

「そうそう。なのに、今も普通に彼氏として付き合ってんだろ? 記憶ないとか、よく平気でいれるよな。俺なら無理かも」

「そういやさ、この前翔多と話してるの偶然聞いたけど『俺もう耐えられねぇ』とかいってた。」

「まじ? まぁそうなるよなぁ。」

​ははっ、と軽い笑い声と共に男子たちが去っていく。

芽依はその場に立ち尽くしたまま、
持っていた鞄をぎゅっと握りしめた。

​‘’よく、平気でいれるよな”

“耐えられねぇ”

その言葉が何度も頭で繰り返させる。
同時に別れ際に、佑陽が見せたあの切ない表情が頭をよぎった。