秘密な恋愛

一方、佑陽。

「あれ?なぁ佑陽。あそこにいるのって、芽依ちゃんか?」
帰りのマネージャーの車内。
飯田の声に、佑陽は顔を上げる。

視線の先。
ゲームセンターの前。
楽しそうに笑う芽依と、その隣に立つ拓海。

ぬいぐるみを受け取る芽依の笑顔。


(芽依···)
胸の奥が、ぎゅっと締まる。

さっき電話に出なかった理由。

“拓海といたから?”

その言葉が、頭の中で重なる。

「降りるか?」
様子を察した飯田が静かに聞く。

佑陽は、一瞬だけ視線を逸らし

「···いや。大丈夫」
声は落ち着いているのに、
目だけが、どこか冷えていた。
車はそのまま、ゆっくり走り出す。

バックミラー越しに、
笑う芽依の姿が、小さくなっていく。


(なんで、あいつと···)
胸の奥に広がる、黒い感情。

それは間違いなく嫉妬だった。

分かってる。
芽依は悪くない。

でも···
「···くそ」
小さく、誰にも聞こえない声が漏れた。