マミルとマモル! ~キミのシッポは僕だけの秘密~

 こんど、もうちょっと大きな部屋にお引越しするので、荷物を整理してたら、本やアルバムの間から、それは見つかった。


 勉強用のノートを代用して初めて書いた日記。全部で三冊。

 パラパラとめくってみる。

 あ、こんなこと、あったんだっけ。

 そうそう、これがきっかけで、わたしたちは……

 そのころは、毎日毎日いろいろなことがあってあわただしかったから、ちょびっとずつしか書けてないけれど、
 こうやってちょっと読み返すだけでも、あのころの楽しい思い出、ドキドキした瞬間、今でも胸がきゅんとなるシーン

 ……つまり、わたしたちの初恋の思い出がよみがえってくる。

 表紙の角が折れていたり、もうだいぶ古ぼけているけど、とっても大切な思い出がつまった、わたしの宝もの。


 『はかどるお引越しのコツ』というのをネットで探してみたけど、こんなアドバイスがあった。

"アルバムや日記を開いて思い出に浸ってしまうと、そこで思考が停止して作業が完全にストップしてしまいます。これが、引っ越しがはかどらない最大の原因です。
まずは、それらの品物を『思い出ボックス』と書いた専用の段ボール箱にまとめて入れ、フタを閉じて一時的に隔離しましょう"

 まさにこれだよね。『思い出ボックス』を作らなくちゃ

 ……でもやっぱりちょっとだけ。休憩もかねて。

 わたしは、荷造りの手を休め、段ボール箱の山に埋もれて、床に座り、かべにもたれかかった。


 シッポをお尻で踏んづけないようにしながら。