『ドレスに宿る誓い』―Elara & Lanois 王国を変えた仕立て屋たち―

二人は課題に熱心に取り組み、
彼らの作品は第1位の評価を得た。

なんとも言えない満足感を
噛みしめるエルヴィン。
ささやかなお祝いをしようと
エラを自分の邸に招待した。

エルヴィンの家に着いたエラは、
広い玄関に足を踏み入れた瞬間から
そわそわしていた。

初めてクラスメイトの家に招かれた嬉しさもあったが、
それ以上に、
「エルヴィンの服づくりの感性はどんな環境から生まれてるんだろう?」
という知的好奇心で
胸がいっぱいだったからだ。

執事のクラウスが明るく迎える。
「ようこそ、エラ様。もう準備はできております。」

一般家庭出身のエラは
執事という存在に出会うのが始めて。
(エルヴィンって、本当に貴族出身なんだ……)

「さぁ、立ち話もなんだから。中に入ろう。」

エルヴィンの声に呼応するかのように
リビングの扉が開いた。
振り返ったエラは、
その瞬間、息を呑む。

銀色の髪を光に映してふわりと揺らし、
柔らかく微笑む女性——
その姿に、エラは思わず言葉を失った。

「あなたは……まさか……!」

目の前に立っている彼女は
かつて憧れた、伝説の存在。

ユーフォルビアの白銀の妖精だった。