無事に謁見を終え、
エルヴィンたちは彼が亡命前にひそかに手配していた
小さな邸に移り住んだ。

暖かな夕暮れの光の中、
エルヴィンは二人に語り始める。

「俺は……女性が“自由に”生きられる服を作りたい。
 装飾で縛るのではなく、
 その人の魅力と生き方がのびやかに輝くような――そんな服を。」

クラウスはすぐに頷いた。

「エルヴィン様が幼い頃、前侯爵夫人と刺繍に熱中していらしたのをよく覚えております。素晴らしい夢だと思います。クラウスは全力でお支えします!」

シルヴィアも柔らかく微笑む。
「あなたの服には、人を幸せにする力があるわ。
 とっても素敵よ。叶えましょう、その夢を。」

エルヴィンは裁縫の基礎を本格的に学ぶため、
王都のアカデミーに通うことを決めた。