男の一人が扉を閉める。
ギィ……。
沈黙。
そして──
「……よくぞここまで来られた。ご安心を。もう大丈夫だ。」
それは穏やかで、深い声だった。
シルヴィアが目を見開く。
クラウスも思わず顔を上げる。
赤い徽章をつけていた“兵士たち”は、
ゆっくりとコートを脱ぐ。
コートの下に現れたのは、
白地に金の蓮が浮かび上がる、
美しい刺繍――ロータスの紋章。
「我らはロータスの騎士団。
ウィステリア王国ウィリアム国王陛下の密命を受け、貴殿方をお迎えに参った。」
男たちは敬意を込めてエルヴィンに跪いた。
「国境越えは我々が導きます。もう恐れることはありません。」
安堵のあまり、
シルヴィアは膝から崩れ落ちそうになり、
エルヴィンの腕にしがみつく。
クラウスも両手で顔を覆い、
咽び泣いている。
エルヴィンは深く息を吐いた。
やっと──やっと、希望が見えたのだ。
「……陛下、ありがとうございます」
そう呟くエルヴィンの声は、
微かに震えていた。
ロータスの騎士団の一人が微笑む。
「さあ。蓮の花は、国境の向こうで満開です。
お急ぎを──ウィリアム国王があなた方の到来を待っています。」
三人はロータスの騎士団に導かれ、
ついに国境越えへ向けて動き出した。
ギィ……。
沈黙。
そして──
「……よくぞここまで来られた。ご安心を。もう大丈夫だ。」
それは穏やかで、深い声だった。
シルヴィアが目を見開く。
クラウスも思わず顔を上げる。
赤い徽章をつけていた“兵士たち”は、
ゆっくりとコートを脱ぐ。
コートの下に現れたのは、
白地に金の蓮が浮かび上がる、
美しい刺繍――ロータスの紋章。
「我らはロータスの騎士団。
ウィステリア王国ウィリアム国王陛下の密命を受け、貴殿方をお迎えに参った。」
男たちは敬意を込めてエルヴィンに跪いた。
「国境越えは我々が導きます。もう恐れることはありません。」
安堵のあまり、
シルヴィアは膝から崩れ落ちそうになり、
エルヴィンの腕にしがみつく。
クラウスも両手で顔を覆い、
咽び泣いている。
エルヴィンは深く息を吐いた。
やっと──やっと、希望が見えたのだ。
「……陛下、ありがとうございます」
そう呟くエルヴィンの声は、
微かに震えていた。
ロータスの騎士団の一人が微笑む。
「さあ。蓮の花は、国境の向こうで満開です。
お急ぎを──ウィリアム国王があなた方の到来を待っています。」
三人はロータスの騎士団に導かれ、
ついに国境越えへ向けて動き出した。



