Elara&Lanois がアリス王妃の「革命スーツ」で
一躍国際ブランドとなり、
エルヴィンはフル稼働の日々。
けれど、家に帰ると必ず優しく妻に寄り添い、
「今日も大変だっただろう？」と労わるのを欠かさない。

そんなある日——
シルヴィアの妊娠が判明する。

エルヴィンは一瞬、言葉を失ったあと、
彼女の手を両手で包み込む。

「……シルヴィア。
　君のおかげで、僕はここまで来られた。
　家族が増えるなんて、夢みたいだ。」

彼は涙をこらえながら、
何度も彼女のお腹にそっと触れた。

そして出産の日。
徹夜続きでもエルヴィンはずっと傍にいる。
生まれた赤ん坊を抱いた瞬間、
彼の瞳は驚きと愛情で満ちた。

「……なんて小さくて、なんて可愛いんだ。
　シルヴィア、こんな奇跡をありがとう。」

新しい家族を迎えて、
夫婦の絆はさらに強くなる。
けれど、
出産後のシルヴィアは体力も気力も揺らぎがちで、
抱っこ、授乳、寝不足……
仕事も続けたいのに、
身体がついていかない。

そんな彼女を見たエルヴィンは、
デザイン室に籠もりながら考え続ける。

「キャリア女性も、母になる。産後も人生は続く。
　なら、母親の人生を支える服……あっていいじゃないか。」